2005年 3月議会 討論

◎箕面市廃棄物の発生抑制、資源化、適正処理等に関する条例改正

 市民元気クラブの中西とも子です。
■議員提出議案 第1号 
 箕面市廃棄物の発生抑制、資源化、適正処理等に関する条例改正の件に賛成の立場で討論いたします。
 ごみの減量は、地球の温暖化や大気汚染の抑制、資源の無駄使い防止という人類の重要課題です。ごみの減量化が進めば、当然ながら処理経費も削減され、税金の投入も減少します。
 さて昨秋から箕面市に導入されたごみ処理費の有料化にまつわる問題の本質とはなんでしょうか?私はごみの減量化に経済的手法を用いることについて、まったく否定するものではありません。
 ただし、箕面市においては有料化導入について、@行政が丁寧な説明を市民におこない、市民の納得・合意が形成されたうえで進められたのであようか?A検討・協議・実施のプログラムが明確であり、市民が参画して策定されたでしょうか?B評価・検証も市民・行政協働で行われているでしょうか?Cさらなる減量化の維持・継続にむけた取り組みがなされているでしょうか?
 残念ながら、これらの問いに「YES」と答えることはできないでしょう。
 私たち市民元気クラブはごみの減量化に成功した東京都日野市を視察し、さまざまなノウハウを学んできました。
 日野市も箕面市と同様に環境について意識の高い市民が多いのですが、まず“全庁あげて”ごみの減量化にとりくんだ、とのことです。市長を先頭にボランティア職員を募ったところ約150名が名のりをあげました。5班に分かれ市内各所をくまなくまわり、市民啓発や丁寧な説明が行われました。16ヶ月の間に630回、3万人の市民に徹底した説明会をおこない、さらに市長を先頭に早朝の駅頭やスーパー前での訴えも重ねたそうです。
 人口17万人の日野市と12万人の箕面市をストレートに比較するつもりはありません。しかし「やれることはすべてやった」「精力的にしっかり説明をおこなった」とする箕面市は懇話会・説明会合わせても26回、合計463人の市民参加であったということです。
 けっして職員の方々の働きが悪い、というつもりはありません。担当課の方々には言い尽くせないご苦労があったと理解しています。要は「全庁的とりくみ」をなそうとしなかった前市長のリーダーシップや審議会のありかた、行政・市民とパートナーシップの確立をはかろうとしなかった市政のありかたこそが、問題であったのです。そしてまだまだ、検討課題があります。
 日野市では、ごみ処理料金を有料化するかわりに、随所でツボをおさえた施策が練られています。かゆいところに手が届く市政とはこのことです。市民への排出指導や分別問い合わせに対応できる組織作り、有料化導入に際しての配慮事項の整備、これはたとえば生活保護世帯や児童扶養手当受給世帯への減免措置、ボランティア袋、紙おむつ専用袋の無料配布、カラスよけネットや資源容器の無料貸し出し、剪定枝の無料拠点回収、分別が困難な世帯等へのOKシールなどなど細やかな配慮が施されています。これは生活者である市民が大勢参加して協議会形式で検討を重ねた成果と言えるでしょう。
 「まず、有料化ありき」が前提の、「燃えないごみなんて茶碗くらいでしょう」などという生活実態からほどとおい学者さんや、ゴミだし経験すらほとんどないような方も含まれる委員で構成される審議会で、すべての指針を決めてしまうことに無理があるのです。
 2002年8月の箕面市廃棄物減量等推進審議会の答申「ごみ減量資源化のための経済的手法導入のあり方」には、経済的手法については7頁〜8頁にわたり報告していますが、社会的手法、つまり市民合意の形成や市民協働については半頁程度の記述で内容がなく、なんら具体的な提案を為しえていません。この報告書を見ても同審議会の限界を見ることができます。また、本条例では3年後に見直しとあるため、ゴミ排出にかんする諸問題を毎年検証するのではなく、3年間ただ待てばよい、とする意見については、例えば日野市のように毎年減量化を検証し、さらなる減量にむけて「ごみ減量推進市民会議」をたちあげ、マイバック運動や転入者・学生に対する丁寧な説明、生ごみの堆肥化などにとり組むことが大事であると考えます。放っておけば、すぐにリバウンドします。有料化だけでは効果は一時的なものになってしまいます。長期ビジョンの構築と審議会にとどまるだけではなく多くの市民参加で、即時課題へ意欲的にとり組むことが求められています。そのためには数値目標の設定と成果の確認をきちんと行うことです。民生常任委員会でも明らかになったように、箕面市は減量化最優先ではなく、効率重視策をとっています。初期投資もさほどおこなわない、中途半端な減量化のとりくみでは先が見えてしまいます。また、市民(消費者)がいくら減量努力をおこなっても限界があります。ごみのもとを事業者が作らない法整備にむけ、議会が全会一致で声を上げていただくよう、この場であえて訴えるものです。なお、箕面市は高額な市民税の上に公共料金や国保の値上げ等、重なる市民負担増で暮らしを圧迫しています。わずかに思えるゴミ代も、他の圧迫因子と合算されると大きな負担となってしまいます。
 ごみ問題をとりまく様々な問題についてあと二年も待つのではなく、一旦リセットして、もう一度皆で話し合いの席につきましょう。生活の中で最低限、排出されるごみについては無料にしましょう。という意味で提案したのがこの条例改正案提出の目的でした。ねじれをもとにもどすための苦肉の策なのです。見せかけだけの策であるとの批判はあてはまりません。
 なるべく現場に混乱をきたさないよう、ゴミ袋を使用する方法や袋の容量などは現行のままを踏襲しました。取扱店さんにはごご苦労をおかけしますが、私も職員の方々とともに事情説明に走りまわる覚悟をしています。「費用対効果がない」とするご指摘もあるかもしれませんが、このゴミ問題は「行政サービスのあり方」と「住民自治のあり方」を問うものであり、こわれかけた行政と市民の信頼関係を修復・再構築するためのものと位置づけております。よって、軽々しい費用対効果云々は住民軽視と言わざるをえません。さらに職員の方々の仕事量が増えることを懸念する声に対してですが、市民にとって何が一番望ましいかを一番に考えた上で職員の人員等の調整をおこなうべきでしょう。まちでは未だごみ有料化について疑義を唱える市民が後をたちません。
 以上、この改正案を議員のみなさんが会派を越えて真摯にうけとめ、ご審議・ご賛同いただけますことを心からよびかけまして、私の賛成討論といたします。

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◎箕面市一般会計予算 修正案


■第1号議案 箕面市一般会計予算 修正案
 永田吉治議員他2名に反対し、同じく修正案小林ひとみ議員他3名に賛成しかねる立場で、そして、原案に賛成して討論をおこないます。

                 市民元気クラブ・中西智子

 すでに牧野議員、北川議員から原案に賛成する意見の中で、述べられている点はなるべく省き、簡潔に意見を述べます。
 はじめに、30人規模学級についてですが、この少人数学級の教育効果については、世界でも日本でも明らかになっています。
 鳥取県教委が2004年7月に実施した「30人学級の実施に伴なう教育効果アンケート調査」では、小学校教員の96%が良かったと感じており、保護者の間でも81%が良かったと答えています。「学習の理解度が把握しやすく、理解不十分な子に、より多く支援することができた」保護者からは「心の安定、落ち着きが感じられる。私語が少なくなった」などの感想がよせられています。
 また、少人数学級の教育効果は、世界でも認められおり、アメリカの研究で有名な「ダグラス・スミス曲線」とよばれる、学級規模が小さくなるに従って、学習の到達度、情緒の安定、教員の満足度が高くなる、という調査結果はよく知られています。
 今、教育の現場、とりわけ小学一年生にとっては「学校」に順応できるか否か、すでに塾がよいの経験があるこどもたちとそうでない子どもたちは、入学と同時に勝ち組と負け組みに分かれるという競争教育の洗礼をうけるのです。これは箕面市内の小学校1年生の子どもを持つ親の切実な声でもあります。
 塾や予備校まかせで「公教育が基礎学力を保障する責任」を放棄する傾向にあります。一人ひとりに目がゆきとどく教育を実施するために、全学年を30人規模学級にできればよいのですが、厳しい財政状況のもとで優先順位をつけなければならないのなら、やはり一年生から、との現場の声が圧倒的であり、また鳥取県や島根県、福島県など他の自治体においても小学一年生から少人数教育を実施しています。またせっかく特区申請も認定されたのですから、何としても実現させるべきです。なお、箕面市議会は98年に「30人学級の実現を要望する意見書が全会派一致で決議されています。今、ようやくその思いが実を結ぼうとしているのですから、これに反対する理由などどこにもないはずです。教育現場の声、保護者の声を踏みにじる行為は断じて認められるものではありません。
さきほど北川議員も述べられていましたが、30人規模学級と次元のことなる中学生徒指導員の加配を対置させるのは全くナンセンスです。生徒指導員の加配は補正予算で検討するという市長の答弁で、何ら問題はないものと思われます。
 また、平和推進事業の50万円を削減することについて、その合理性がまったくなく、理解に苦しみます。今年は敗戦後60年の節目にあたります。平和の尊さ、侵略戦争の愚かさをあらためてかみしめ、歴史の重みを子どもたちの未来へと生かしていくためにも是非実現させたい事業です。文教常任委員会で行われた反対意見は「特定の市民グループに利用される恐れが強い」ということでした。どこのグループが、何に利用する、というのでしょうか?反対理由にこと欠いて、非論理的な議論に終始するというのは情けないかぎりです。
 次にごみ処理基本計画基礎調査費についてですが、ごみが減った、いや家庭内に埋もれている、不法投棄が増えている、他市に棄てている、可燃ゴミに混ぜて棄てている、など減量の是非が分かれています。資源化やリサイクルがどれだけ進んだか。ゴミ処理基本計画も見直しをかけねばならず、事業の評価をおこなうために検証と実態調査が不可欠です。また調査は公平かつ客観性のある第三者機関で実施されるべきであり、この調査費を削減することは妥当ではないと考えます。
 つぎに止々呂美東西線道路と小中一貫校の実施設計についてですが、私は基本的に大規模開発には反対の立場です。現状は非常に悩ましい状態であり、苦渋の選択をせまられているといえます。開発を止めても、また続けても大きなリスクを背負うことになります。こうなる前に、なぜ開発着手を止めることができなかったのかと、悔しい思いでいっぱいです。
 しかし現実には、大阪府との間に協定書がかわされ、2004年の8月には確認書もかわされています。国、大阪府、箕面市の三者が互いにけん制しあい、どこが先に「止める」と言い出すか、という微妙な状態にあるといえます。また、地元住民の方々が開発を強く望んでいることも受け止めなければなりません。
私は今後、市長のいう「第3の道」を模索していただけることに期待して原案に賛成し、修正案に反対の立場をとるものです。
 最後に保育所の民営化についてですが、私は一般的な民営化には反対ですが、箕面市の場合は公益法人に委託しているため、営利を追及する仕組にはなっていません。また、第三者評価制度は利用者に適切な情報提供をおこなう、という意味で一定程度意義があると思われます。しかし、新しく始まる制度であるため、しっかり制度の運用についてチェックしてゆくことも不可欠です。
 以上の観点から、私の反対討論といたします。

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