2005年 6月議会 一般質問
2005年6月22日
市民元気クラブ 中西智子


◎「男女がともに生き生き暮らせるための地域社会づくりとその実現について」



 2003年に施行された「箕面市人権のまち条例」では、命の尊さや個人の尊厳が大切にされ、自らの努力で、より自由、平等でお互いの人権を尊重するまちづくりをめざしました。そして1999年度から2004年度までの「人権施策基本方針」の精神を引き継いだ、2005年度からの「箕面市人権のまち推進基本方針」において、人権のまちの実現にむけた体制づくりや市民と行政が協働でとりくむべき方向性を示しています。
 この方針のなかで、「人間としての権利」とは「人が人間として支配や抑圧や束縛を受けず、自分の意思で自由に生きることができ、ひとりの人が他の人を傷つけたり差別的な待遇を受けることなく、社会の中で平等な扱いを受け、お互い同士を尊敬しあうことのできる社会を実現すること」だと規定しています。
 「箕面市人権施策基本方針」のなかで示されている「箕面市における現状と課題」のなかで「推進体制」について「人権行政は全庁的にとりくむ課題とされながらも、個別の事業や担当課レベルで捉えがちであり、全庁的に推進していくべきものであるとの認識が弱く、総合的調整力が十分発揮できていません」との問題を指摘し、「横断的に人権行政を推進していく体制の整備と機能について、検討する必要があります」と課題にしています。
 さらに事業評価について「人権行政を推進するにあたり・・・(中略)・・・評価する必要性は、強く認識され始めていますが、評価指標や評価項目などのシステムが未確立であり」とし「政策形成や事業の見直しをさらに的確・効果的におこなうため、事業評価システムについて検討していくことが必要」と課題化しています。
 また、人権行政の推進にあたっては「常に職員が人権を意識するために」「すべての行政事務部門における日常業務が人権との関連性の中で考えられる視点を育てることが必要」とし、「職員が人権尊重を基礎とした行政の推進のための役割を果たす仕組みづくりが必要」としています。
 以上のことからもわかるように、人権の重要性と行政の果たす役割は明確でありながら、未だその目的は達成されておらず、さらなる努力が求められているのだ、ということを第一に確認しておきたいと思います。
 今年は1995年に北京で行われた第4回世界女性会議(北京JAC)から10年目にあたります。本年の2月から3月にかけてニューヨークの国連本部で開催された第49回国連女性の地位委員会(CSW)では「北京+10」の年として、第4回世界女性会議で採択された「行動綱領」にそった政策が各国でどのように進められているかを検証し、今後の方向を探るための会合として位置づけられました。そして、ジェンダー平等を実現するため政府・非政府部門がともにいっそうの努力を行うことを誓う政治宣言が採択されました。
 先日、内閣府による男女共同基本計画の改訂に向けた公聴会がおこなわれ、私も参加しましたが、これは「男女共同参画基本計画に関する専門調査会」および「女性に対する暴力に関する専門調査会」が取りまとめた「中間整理」について広く国民から意見をきくために、全国5つの都市で開催されたものです。
 この「中間整理」において「専門調査会では、男女共同参画社会の形成は21世紀の我が国社会の姿を決定する最重要課題」と位置づけています。
 周知のごとく、男女共同参画社会基本計画は、1999年に施行された男女共同参画社会基本法に基づき翌2000年に閣議決定された、男女共同参画に係る初めての法定計画です。
 この基本法第2条では、男女共同参画社会とは「男女が対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ共に責任を担うべき社会」と規定しています。
 しかし、現状では2002年の内閣府の世論調査によると、社会全体でみた場合男女の地位について75%が「男性の方が優遇されている」と考えています。また、2004年に集計された箕面市 市民満足度アンケート調査において「女性が男性に比べ不平等な扱いを受けていると感じること」という問いに対し、「感じた」と答えたひとが55%で「感じたことはない」36.8%を大きく上回っています。
 また2004年の国連開発計画「人間開発報告書」のデータでは、日本は基本的な人間の能力がどこまで伸びたかを示すHDI(人間開発指数)では177カ国中9位ですが、政治及び経済活動への女性の参加を示すGEM(ジェンダーエンパワメント指数)では78カ国中38位と大きく落ち込んでいます。また、「管理職に占める女性の割合」もアメリカ45.9%、ドイツ34.5%、スウェーデン30.5%に比べ日本は9.7%と低い水準にとどまっています。その他2001年のOECDと総務省の調査データから割り出した「育児期にある夫婦の育児等の時間についての各国比較」をみても日本の夫の育児・家事時間は欧米諸国の約4分の1と著しく短くなっています。
 さきに述べました「男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の基本的な方向についての中間整理」のなかで現行計画の達成状況・評価および今後の施策の基本的方向と具体的な取り組みとして以下の重要目標について報告されました。
 @政策・方針決定過程の場に女性が参画すること
 A男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し、意識の改革
 B雇用等の分野における男女の均等な機会と待遇の確保
 C農産漁村における男女協働参画の確立
 D男女の職業生活と家庭・地域生活の両立の支援
 E高齢者が安心して暮せる条件の整備
 F女性に対するあらゆる暴力の根絶
 G生涯を通じた女性の健康支援
 Hメディアにおける女性の人権の尊重
 I男女共同参画を推進し多様な選択を可能にする教育・学習の充実
 J地球社会の「平等・開発・平和」への貢献
など11項目にわたる重点目標についてまとめています。
 要するに、女性の参画で新しい視点が提起され、様々な人の立場を考慮した政策の立案・実施が可能になるのです。また、職場における性差別が解消すれば、女性だけでなく、男性にとっても働きやすい職場環境が確保され、多様性に富んだ職場環境は人々を活性化し、企業活動も活発にします。さらに家庭における男女共同参画が進むことによって、親と子の関係が改善され、男女とも子どもと関わる喜びを体験することが可能になります。さらに、女性の家事・育児関係の負担が軽減されて、家庭と職場との両立も可能となり、少子化の改善にもつながります。
 また、日本では、とりわけ若い世代の性教育に深刻な遅れがあり、少女に対する暴力やHIV/AIDSを含む性感染症が増加しつづけています。こうした現状を改善するためには、早期からの、発達段階に則した適切な性教育が必須です。地域社会の活動のなかで男女共同参画が進めば、人々は職場中心の生き方だけでなく、男女とも多様な価値観に基づいて、地域活動、ボランティア、家庭生活、学習活動等、様々な生き方を自ら選択できることが可能になります。
 今後、以上の観点から施策の目標達成にむけ地方公共団体の役割がますます重要となってきます。
 箕面市においても男女がともに生き生きと暮らせる地域社会をめざして、これまで様々な取り組みがなされてきました。啓発活動が積み重ねられ、学校教育では例えば「性 自分らしく」の活用など素晴らしいとりくみがなされています。市と市民が協働で取り組んできた経緯があるにもかかわらず、一時期の活気にあふれた取り組みや進捗がこのところはやや停滞気味の感があります。
 「計画・実行・評価」が適切におこなわれているか、目標達成できない事業や計画があるならば、何が問題であるかを的確にとらえ、別の角度からのアプローチも必要となってくるでしょう。また、男女の協働・共生について未だ十分な理解ができていないひとも多いのが現実であるため、ここで整理をし、さまざまな部署における努力や実践が全体化され、共有化されるために以下の質問をいたします。

 @第2期箕面市男女協働参画推進計画から第3期同推進計画までの各総括をお願いします。
 A第4期同推進計画における「計画がめざす方向」、「計画の内容」、「推進体制の強化」等の各項目内容はほぼ第3期の推進計画を踏襲していますが、計画の評価やチェックを具体的にどのようにおこなうのですか?
 また、これまではどのようにおこなってきましたか?
 これまでの評価方法やチェック体制を強化するための工夫・改善があるのでしょうか?
 B庁内から改革・改善できるものとして長年とりくんできたはずの女性管理職の登用について、女性の管理職比率が上がらない、試験の応募者も減少していることをどのように分析していますか?
 また今後の対策をどのように検討していますか?
 C箕面市人事制度検討委員会がおこなった「特定事業主行動計画策定のための職員アンケート結果」の中で「育児休業を取得しなかった理由」について「職場に迷惑をかける」「業務が繁忙であるため」と回答した割合が多く、「取得促進のため取り組む必要があると思われる事項」では、「業務遂行体制の工夫・見直し」「職員や社会全体の意識改革」「休業中の経済的支援の拡大」と回答した割合が多いのが特徴でした。
 男性の育児休暇等の取得が一向に増えない点をどのように捉えていますか?また、どのように克服していかねばならないとお考えでしょうか?
 D今後の男女共同参画課の課題、中長期的課題と即時的課題をどのように位置づけていますか?また、達成に向けたスケジュール設定を含めビジョンについてお示しください。

 また、ちなみに6月23日〜29日は「男女共同参画週間」ですが、箕面市での取り組みはどうなっていますか?
 以上、箕面市の男女がともに生き生きと暮らせるための施策とその実現に向けた具体的とりくみの現状と課題について質問いたします。

 男女共同参画社会の実現とは、一部のひとたちの言う「健全な家庭の崩壊につながること」ではありません。多様な価値観の下、老若男女を問わず、互いを認め合いながらひとりひとりの個性が尊重され、あらゆる可能性がすべてのひとに保障されて生き生きと暮らせる明るい社会を創造することなのです。その精神が地域社会の隅々にまで浸透し、ごく自然にあたりまえのこととして受け入れられることなのだと考えています。行政・市民が協働で実現をめざし、これから、そして今何をなすべきかが問われているのです。
 理事者の意気込みのある真摯なご答弁を期待いたしまして、私の一般質問を終ります。

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