2005年 12月議会 一般質問



◎税金の無駄づかいにならない市役所運営について



市民元気クラブの中西とも子です。

2項目にわたり、質問させていただきます。まずはじめに、税金の無駄づかいにならない市役所運営について、という観点にたって質問いたします。

(1)民間委託と情報公開について 

 いまや行財政改革が喫緊の課題であることは言うまでもありません。また「官か民か」という2者択一ではなく「公共サービスのあり方」についても、いまいちどしっかり検証すべきであると考えます。限りある財政という現実を踏まえ、社会資源・人的資源を有効活用し、税金の無駄づかいをなくすことを徹底しなければなりません。
 1996年からはじまった行政改革に向けたとりくみ、2002年から2006年の期間で策定された経営再生プログラムは、「本市の経営資源の効果的・効率的な配分をトータルに進めるような自治体経営という視点からの行財政運営全般にわたる大胆な改革が必要」ということで「ひと・もの・かね」の改革に着手されたのだと理解しています。
 以下「箕面市アウトソーシング(MOS)計画」や「箕面市職員適正化計画」を検証するため、疑問点や進捗について質問いたします。常任委員会においても同様の議論がなされたようですが、確認の意味もこめて質問させていただきます。また、あわせて委託先である指定管理者の情報公開に着目し、質問いたします。

 まずはじめに、よりよい成果とコストダウンがどのように計画されているか、MOS計画に記載されている内容についてお尋ねします。

  「概要と方向性」では業務委託を何%にするか、という記載はありますが、委託によって得られる数値目標が掲載されていません。また、MOS計画表にもスケジュールの表記はあるものの、具体的な数値記載がありません。 委託によってどれくらいの経済効果が得られるのか、サービスの質の良化に向けた目標課題は何か、が不明です。誰が見てもわかる一覧を公表すべきであると考えますが、このことをどのように捉えていますか?外部委託でどれくらいの経費削減になったのでしょうか?目標設定の有無を含めてお答えください。

  また、同計画に記載されている「これまでのアウトソーシングの状況」のなかでアウトソーシング数が記されています。 これらは目標設定があり、その成果が費用対効果を含め、検証されるはずですが、それは具体的にどのようにおこなわれているのでしょうか?委託先の見直しは行われていますか?また、それはどのような手続きのもとでおこなわれているのでしょうか?

 さらに「市として保有・蓄積すべき専門知識やノウハウ」について、現在専門知識やノウハウを有する職員は各事業・業務のなかでどれくらい在籍するのでしょうか?また、「該当する業務とノウハウの内容及びそれに該当する職種と必要人員数の整理」はどうなっていますか?「マニュアル化」の進捗率もお示しください。 

 専門知識を備えた職員確保について、方法としてはスキルのある人材を民間会社から採用する、という方法が考えられます。実際、先日民生常任委員会で行政視察を行った金沢市においては、民間からの本採用が10%くらいある、というお話を伺いました。専門知識があるので委託については丸投げをしない、また専門家の厳しい目でチェックする。民間出身者が新しい風を入れ、庁内の活性化にもつながる、とのことでした。この民間からの中途採用について、どのようにお考えでしょうか? 

 また、「直営に戻すべきものの検討」はどのようになっていますか? 

 つぎに、2003年に策定された「箕面市職員適正化計画」に関連して、お伺いします。

 人件費を抑制するために職員数を削減するという考えであるかと思います。さて、職員数だけでなく、ムダな業務がないか、部署間の重複業務がないか、合理化できる事務処理はないか、などを検証するために「業務棚卸」はなされたのでしょうか?また、どのように分析されたのでしょうか?
 なお、「職員数は増やせない」という前提で各部署の人員体制が決定されているため、かなりの超過勤務を余儀なくされている部署があるように見受けられます。長時間残業や土・日の出勤、心的ストレスなどに対する職員の労務管理が適切におこなわれていると考えていますか?このことは、市職員の心身の健康管理が大事であるという認識は無論のこと、委託先の労働者の労働実態にも一定の注意を忘れないという観点からも、放置できない課題であると考えます。この件についても市の見解を求めます。  

 さらに、公の施設の管理を委託した指定管理者の情報公開について、質問します。

 箕面市情報公開条例は2005年4月に条例化され、10月1日から施行されていますが、たとえば箕面都市開発鰍ヘ2005年10月1日以前の情報公開はおこなわないとしていますし、公開できないものもある、と表明しています。
 「指定管理者の保有する情報について」箕面市情報公開条例 第24条では「実施機関は、指定管理者が保有する情報のうち、同法第244条第1項に規定する市の公の施設の管理に係る情報であって、実施機関が保有していないものについて、閲覧又は写しの交付の申し出があったときは、当該指定管理者に対して、当該情報の提供を求めるものとする」とあります。
 しかし逐条書では「・・・実施機関が保有する情報として開示に努めなければならない」と後退した解釈にとどまっています。たとえば、千代田区の情報公開条例では「区が保有する公文書だけでなく、受託事業者および指定管理者の保有する文書等もあわせて区の情報公開制度の枠組みに取り入れることとしました」としており、条例改正のポイントとして「受託事業者および指定管理者が受託した業務または管理を代行する業務において管理する文書は、区が管理する公文書と同様と位置づけます」とし、「区に対して、委託業務などに関する情報公開請求があったときは、受託業者や指定管理者は、該当する文書、資料などを区に提出しなければなりません。」としています。
 「積極的な情報公開」を宣言している箕面市はこの千代田区のような解釈にすべきであり、「努めなければならない」という解釈では、強制力がなく、よって指定管理者に委託することで情報公開が後退するという事態を招くことにもなります。この件をどのように考えるのか問うものです。

  2004年7月14日に関係部局を集めて「指定管理者制度移行の考え方」という説明資料を配布し指定管理者制度の課題整理と説明会がおこなわれました。その資料のなかで利用料金制の納付について箕面都市開発鰍ヘ収入が140%超過であるため、「減価償却費相当分を雑入として納付」と記載されています。かたや、売り上げが下がってきている、と説明する一方で内部資料には「収入が140%超過」とあります。
 これでは本来の指定管理者設置の目的、すなわち「住民サービスの向上と経費の節減」はどこへいってしまったのか、という思いになります。駅前第1・第2駐車場の委託料金について、本来ならば適切な委託料金・納付金を試算すべきであると考えます。また、指定管理者制度導入前の委託料金が適正か否かの判断は何を根拠に設定し、またどのようにチェックしていたのでしょうか?
 なぜ、このような質問をするかというと、本来指定管理者制度を導入する、または外部委託することによって、市民の利益が削減される、ということがあってはならないからです。黒字部門の管理を指定管理者に委託することで本来ならば市の収入分が指定管理者に入る、というのであれば市民にとっては納得しがたい話です。売り上げ額から諸経費を差し引いたものが利益です。残った利益の配分を検討するのが当然ではないでしょうか。

 また納付金は「減価償却費」とする根拠の説明を求めます。

 (2)   補助金のチェック体制についてお伺いします。

  さらに、税金をより有効に活用するため、各種補助金の使途が効果的に遣われているか、否かのチェックが重要であると考えます。補助金を出したら終わり、というのではなくその遣われ方が適正か否かのチェックと適切な指導が望まれる、との観点から質問いたします。

  「申請書」および「実績報告書」のチェックはどのようにおこなっていますか?

 「補助金の交付または不交付の決定」について補助事業の目的及び内容が適正であるかどうかはどのように審査されるのでしょうか?また、チェックマニアルのようなものははあるのでしょうか?

 「実績報告書」には現在領収書の添付が義務付けられていないようですが、事業の内容や規模に応じて、客観的に判断できる素材として是非、検討していただきたいと思います。 

 なお、実績が不十分であった場合、次回からの同じ事業には補助金交付を行わない、などの措置が講じられるのでしょうか?

 以上、補助金交付に関する、基本的な質問をいたしました。




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◎「改正介護保険」について


 次に2項目目として、

 「改正介護保険」について 質問いたします。

 第3期高齢者保険福祉計画・介護保険事業計画については総論素案が提案されましたが、パブリックコメントの集約を含め、現在、箕面市保険医療福祉総合審議会で検討中のことと思います。「改正介護保険法」の全容については未だ未確定な要素があるため、介護サービスに従事している現場職員や利用者および家族はとまどいと不安を払拭できずにいます。
 しかしながら一方では、保険者である市町村が主体的に取り組み、運用することができるようになるため、今後、市町村のとりくみ如何で利用者の視点にたった介護サービスが可能となります。本市の介護保険制度のあり方が決まる重要な局面であるとの認識から、要望を含めまして以下の質問から市の見解を問うものです。 

(1)地域包括支援センターの設置について、中立・公正性を担保するために市が直営で管理・運営するのが望ましいと考えますが、コスト面の問題があり全拠点すべての直営が無理であるならば、せめて1箇所のセンターを直営でモデル運営し、運営ノウハウ・人材育成などの雛形をつくるべきであると考えます。この点について現在までにどのような検討がなされたのでしょうか?

 また、運営協議会の設置が義務付けられましたが、センター運営の中立・公正性のチェックをどのように行うのか、についてもお尋ねします。 

(2)地域支援事業について、在宅介護支援センターは国庫補助制度が廃止になり、介護給付費からの交付金3%が充当されるとのことですが、従来の介護予防に関する事業や老人保険事業などの継続とあらたな介護予防事業との整合性についてお答えください。

 (3)新予防給付についてですが、まず対象者の選定について、審査会では「要支援2」「要介護1」の振り分けに関するあらたな判定業務が生じますが、認定審査の項目審議や調査員の拡充などの整備はおこなわれているのでしょうか?

 また、新たなサービスとして導入される新予防給付サービスが、介護機器サービス事業者の利益優先にならないよう、利用者の側にたったケアマネージメントが提供されるよう強く望むものですがこの見通しについてはいかがでしょうか? 

(4)地域密着型サービスの創設と市町村の指導監督権限の強化について伺います。
 このサービスは認知高齢者グループホームなどの小規模施設が対象となります。苦情処理にかんしては介護サービスの質の向上をめざした「苦情調整委員会」があり、一定の成果を挙げているとのことですが、たいていの利用者はまず、直接事業者へ苦情を寄せると思います。
 この事業所内で起こった事故については報告を受け、指導もされているようですが、直接、事業所へ寄せられた苦情については、どのように把握・指導されているのでしょうか?たとえば「苦情処理ノート」の提出を義務化するなどご検討いただきたいと思います。  

(5)居宅介護サービス事業者への給付について、調査・指導はもとより、改定後は事業者への立ち入り権限が付与されます。不法請求や介護報酬基準のばらつきなど利用者にとって不利益になる行為は速やかに調査指導をおこなっていただきたいと思います。また、事業者間で異なる解釈に基づいて介護報酬を請求している場合もあり、保険者として基準づくりを考えるべきではないでしょうか。 

(6)介護職員の処遇について、よいサービスは、よい労働環境からもたらすことができます。過重労働や、低報酬という労働条件の悪化を抑制しなければ、無理の蓄積が利用者へ転嫁されることもありうるのではないでしょうか?2006年度の介護報酬の引き下げや、介護予防サービスの新設で給付額が下がることなどから、現場職員の不安は払拭されません。このことに関して、どのようにお考えでしょうか。 

(7)介護者家族は精神的にも肉体的にも疲労しています。とりわけ、欝症や認知症の介護のつらさは当人にしかわからないことも多く、精神的に追い込まれる家族も多いようです。
 ある介護者が疲れはててライフプラザに相談したところ、数回の面談のうち、池田の保険所を紹介され、またそこでも数回面談をしたのち、再度、箕面でケアマネと面談をおこなわねばならないという、体力・気力をすりへらしてもなお、適切なケアが受けられない、という現状を嘆いていました。
 残念ながら心のケアについては迅速な支援体制が組めているとはいいがたい状況です。地域や在宅で介護をするということが前提であるならば、介護者家族の心のケアについて、是非取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 (8)最後に「負担のあり方・制度運営の見直し」について低所得者に配慮した保険料設定の実現を期待いたします。
 介護保険制度や医療制度の改定で、高齢者の医療費や介護サービス費が多大な負担となり、生活を圧迫することにもなりかねません。本人・家族を追いこむことにもなりますので、負担が重くなる利用者へは十分な配慮がなされるように要望いたします。 

以上、「改正介護保険」について、8点にわたり質問いたしました。

理事者の真摯なご答弁を期待いたしまして、私の一般質問を終わります。


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