2006年 2月議会 一般質問



◎「箕面まつり」の見直しとまちづくりについて



■一般質問
                                                  市民元気クラブ 中西とも子
●「箕面まつり」の見直しとまちづくりについて
 箕面まつりは今年度、第20回を迎えました。20回記念として企画された薪能をはじめ、恒例のパレードは市外からも吹奏楽の有名校を招いて盛大に行われました。また例年、まつり当日は市の職員の方々も炎天下で運営にあたり、1年をとおして事務局が設置され、運営主体の民間団体「箕面まつり推進協議会」をはじめ多くの団体・個人のボランティアで祭りが成り立っています。さらに、箕面市商工会議所ほかのバックアップで、500件をこえる団体・企業や商店の協賛金が1千万円余も寄せられるなど、関係諸団体および推進協議会ほかのみなさまのご協力に敬意を表します。
 箕面まつりにくり出した市民ののべ人数について地域振興部に問い合わせたところ、薪能に1300人、芦原公園で二日間にわたって実施されたイベント「ときめき広場」には約5万人、恒例のパレードでは1万3000人の市民が沿道を埋めたとのことです。
 たとえば、このパレードですが吹奏楽演奏で参加した中学生の保護者からは「子どもたちは前に進むことを急かされ、走らされて、写真を撮る機会がなかった。ゲストの吹奏楽団に対する扱いと差があったように感じた。」という声や、別の市民の方々から「東の住民には箕面まつりは遠い存在。」などの声が聞かれるなど、まだまだ検討課題もあるように思います。

 さて、この箕面まつりには市の補助金3000万円が投入されています。昨今の市の財政を考えれば、義務的もしくは準義務的事業意外の見直しが急務であることはいうまでもありません。補助金3000万円の内訳を検証し、同時にまちづくりとしての「箕面まつり」のあり方・企画・運営方法を検討すべきです。
この3月議会において「身の丈にあった事業予算の見直し」を求める強い要望が各会派・議員から提起されています。企画・運営の見直しにより経費を削減することは可能なはずです。創意工夫で、少ない予算であっても最大の効果をあげることを念頭に入れ「企画ありき」から「予算ありき」の事業へと発想を変えていかねばなりません。  
以上の視点にたって以下の3項目について市の考えを問うものです。

@まつりの位置づけ・目的と歴史およびその検証について
 1988年からはじまった箕面まつりは2005年度で20回目を向かえました。「行政評価調書」によれば、2003年度の第19回からは「所管部課を商工観光課に移管し、商工活性化の観点から事業を見直す。」としています。事務局体制を整備し、職員の直接関与体制を廃止すると同時に民間の「箕面まつり推進協議会」を運営主体として「市補助金システムの見直し・イベント内容の見直し」を事業の課題項目にあげています。まつりを「商工活性化の観点から見直す」ということで、協議会の事務局体制は商工会議所からの出向で運営されており、この出向職員の人件費項目で第19回の補助金実績は約1450万が計上されています。この人件費の内訳ですが、給与費12、773、153円、この給与費には期末手当や超勤手当ても含まれています。福利厚生費1、463、965円、退職給与費330、000円となっています。まつりを「商工の活性化」という点を第一の目的にすえるとすれば、事務局運営も「ボランティア」で賄うわけにもいかないのでしょう。今一度、市民まつりの位置づけや目的を整理すべきであると思いますがいかがでしょうか?
 ちなみに他市の状況ですが、15〜16万人がくり出す「たかつきまつり」では市の補助金は1000万円を切っていますが、事務局運営費のなかに「人件費」という項目はないとのことです。事務局の方の話では、専従もいなければ「人件費」という概念もない。まつりは市民のひとりひとりが主役であり、「お金をもらってやるもんじゃない。みんな手弁当で楽しくやっている。」とのことでした。ちなみに、事務局の開設は3月〜10月なのだそうです。実行委員会には商工会議所や青年会議所をはじめ各団体がはいっておられるというのは箕面市と一緒でした。
 豊中市では市民と市が協働で事務局運営にあたっていますが、コンセプトは「まちづくり」で「子どもの思い出つくり」という観点で企画しているとのことです。市民が運営にあたることで顔をあわせ言葉を交わすなかで、地域の防犯や安全なまちづくりにも自然に反映されるという嬉しい側面があるそうです。なお、商工会議所も、もちろん実行委に参加されていますが「清掃業務」などを買ってでてくださっているそうです。

A補助金について
 3000万円の内訳ですが16年度実績では運営経費補助・1800万円の外に1200万円の開催経費補助が助成されています。約1070万円の協賛金、いわゆる寄付金と「ときめき広場」の出店補助金、93万7千円や繰越金外を合わせると収入の合計は29、985、669円でこれを支出合計から差し引くと6、414、815円の余剰金がのこります。財政難のおり、収支がプラスになった差額は交付金から差し引く、あるいは次年度の予算計上時に下方修正したものを提示すべきではないかと思います。余剰金が約6百万円も発生しているのに補助金額を前年並みにしているのは何故でしょうか?

B今後のありかたについて
 冒頭でも申しましたが、発想の転換がせまられていると思います。市民が自分たちのまつりとして積極的に参加し、運営すること。まつりを「まちづくり」「子らへの思いでつくり」と位置づけ、市民が「楽しんで」企画・運営・実施する「市民参加、協働」の実践として取り組むことで、経費の削減・補助金の減額を検討すべきではないでしょうか?
推進協議会のメンバーには前梶田市長を顧問に、商工会議所の副会頭、会長さんをはじめ各団体の「長」のつく蒼々たる方々のお名前がならんでいます。実行委員会や各部会にいたるまで男性ばかりです。もちろんこれまで数知れぬご尽力をいただいたことと思いますが、もう少しカジュアルな組織運営のありかたを模索し、女性や若者などの参加を促せるよう検討すべきではないでしょうか?
 箕面市内の大学や、市内在住の文化人・芸能人への参加呼びかけなどをおこなうなどの工夫も必要ではないでしょうか?
 他市の運営方法も参考にしながら、事務局を12ヶ月開催するという従来の発想も見直すべきかと思います。豊中市では6月〜9月くらいの期間しか事務所開設をしていません。箕面まつりのホームページを見たら2005年11月10日が最終更新日となっており、少なくても12月〜2月までの期間の専従事務員を置く必要はないようにも思います。
 また、「池田まつり」は夜店が賑わうお祭りでしたが、今年度から昼間のおまつりに変え、開催地域を含め抜本的な見直しをかけた、とのことです。聞けば予算を圧縮し、費用のかかる夜の開催を見直したそうです。それでもさまざまな工夫を凝らしながら「市民のおまつり」として成功を収めている例はまだまだあります。
 お金をかけなくとも、市民が楽しんで企画し・運営できる、盛り上がるお祭りの実施に向け、事務の合理化・効率化・省力化をはかり、パレードの実施方法なども視野に入れた見直しをすべきであると思いますがいかがでしょうか?
 以上、私の一般質問といたします。
 理事者の真摯なご答弁をお願いいたします。


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