2013年12月議会 一般質問

●一般質問

あかつき園の指定管理者・社会福祉法人あかつき福祉会の
   虐待事件および、不正経理・工賃未払い問題について

2項目にわたり、一般質問します。

まず、1項目目は「あかつき園の指定管理者・社会福祉法人あかつき福祉会の虐待事件および、不正経理・工賃未払い問題について」の質問です。

箕面市立あかつき園の運営・管理について、9月議会、および12月議会・民生常任委員会において、さまざまな課題や問題が浮き彫りとなり、私は指摘・議論・提案をおこなってまいりました。

提案に関しては、あかつき福祉会でおこなってきた製袋事業、いわゆる箕面市の指定ごみ袋製造は、黒字事業であり、あかつき園内の製造だけでは追いつかず、外部に発注しているという状態であることから、ワーキングシェアで、他の事業所もこの事業をおこなえるようにという件について、前向きにご検討いただけるというご答弁をいただき、おおいに評価し、期待しているところです。

諸課題や問題点、不明点について、これまでの議論を踏まえながら、あかつき福祉会のあり方、市のかかわりや責務をどのように総括し、かつ箕面市の障がい者市民のための施設運営を、今回の問題を機に、あらためて見つめ、今後いかに発展的に継承していくべきか、という視点にたって質問します。

1点目に、本年6月にあかつき園内で起きた、ショートステイ室での虐待事件について、質問します。

民生常任委員会での質疑では、事件を起こした職員の資質の問題であり、今後はマニュアル整備と再発防止に向けて虐待に関する意識の強化をはじめ、適切な研修を行っている、と報告を受けている、という答弁でした。

こののち、研修内容について調査したところ、ある部署では「虐待研修資料配布」として「社会福祉士の行動規範」を各自読んでおく、また配布された「セルフチェック」を各自がチェックして提出するというものであり、研修は簡単なレジュメをもとに1時間、1回だけおこなわれた、とのことです。これでは「研修を実施した」という報告のためにおこなわれたといっても過言ではなく、職場環境のなかで何が欠落していたのか、という深く掘り下げた原因究明はなされていません。

当該職員が担当した日の当直は何人体制だったのでしょうか?人員体制が十分な状態であったのか否かについては、先の委員会でも言及されていなかったので、あらためてお伺いします。

また、マニュアルづくりを否定しませんが、「マニュアルをよく読んでください」というようなやり方では、机上の理論は分かっていても、個別の課題のある障がいのある方々とどのように向き合えばよいのか、の答えにはならないように思います。

さらにあかつき園内の職場環境として、障がい者とサービス提供者は対等な関係であることが十分に浸透していたのでしょうか?人権意識は隅々に行きわたっていたのでしょうか?市は「報告を受けている」というスタンスですが、何故、いっしょに研修に参加し、現場の職員の意識や雰囲気を掴もうとしないのでしょうか?

なお、委員会であかつき福祉会が指定管理者として要件を満たしているのか、という趣旨の質疑をおこなったところ、「間違いがたった1回あったということで退場にはならない」というようなご答弁がありました。つまりは、この虐待事件は「まちがい」にカウントされておらず、たいした問題ではないという市の認識であると受けとれます。このような市の考え方こそが問題ではないでしょうか。虐待に対する市の意識がこれでは、事業所に対する指導もそれなりのものになってしまい、根本的解決から遠ざかるのではと危惧します。また、指定管理者の実施機関としての責任が問われます。

そもそも、この虐待事件は議会に報告がありませんでした。指定管理者が独自におこなう事業で虐待事件が起きた場合、市には何の責任もないということなのでしょうか?

あらためて、今回の虐待事件について、市の総括をお伺いします。

2点目に、会計処理の不整合について質問します。

さきほどの「たった1回」という市の認識とも関わるのですが、会計処理が適切におこなわれなかったのは、今回の指摘した期間だけであったのでしょうか?

授産施設時代の会計処理についても、しっかり精査されたのでしょうか?今回の事態を受けて、遡って精査されたのでしょうか?そもそも、あかつき福祉会の会計処理がこれまでもどうであったのか、についても問われるところであり、市は一貫して「適切であった」という見解を示してきました。

会計処理は事業運営の根幹であり、市の施設運営を指定管理者として委ねているのであるから、当然、市も責任を負っていますし、同事業所の監査委員には、市の職員も名を連ねておられます。そもそも会計処理について、「事業所が適切にやっているはずだから」という楽観的な姿勢で臨んでいたのではないでしょうか?昨今、外郭団体の不正経理処理から学んだことを活かしきれていないのではないでしょうか?

また、不適切な会計処理が発覚したことを受けて、市が監査に入るということも考えられたと思いますが、どのように検討されたのでしょうか?また、今後、そのような計画はあるのでしょうか?

さらに先日、箕面市があかつき福祉会におこなった改善指導に関する「原価償却費、棚卸資産及び退職給与引当金に関する計上誤り」について、具体的な説明を求めます。

また「給与及び法定福利費について、福祉事業会計と就労支援会計の按分方法が会計処理の基準に適合していない」とは具体的にどういうことなのでしょうか、これについても説明を求めます。

3点目に、箕面市指定ごみ袋製造である、製袋事業について質問します。

さきの民生常任委員会では、健康福祉部は「委託をしている」といい、市民部は、「委託ではなく、購入しているだけ」というご答弁でした。事実はどのようになっているのでしょうか?箕面市の指定ごみ袋の積算価格は、どのように計算されているのでしょうか。

市民部に対するヒアリングでは、ごみ袋の価格には資材費、発送費、人件費が含まれている、と伺っています。毎年、資材の価格変動を考慮して価格交渉しているとのことですが、発送費や人件費部分の積算はどのようにおこなってきたのでしょうか?

また、健康福祉部とのヒアリングの中で、製袋事業は一部、外注に出しているとのことでしたが、詳細が不明です。就労継続支援B型事業の「就労支援事業製造原価明細表」には、外注費が計上されていませんが、どのような会計処理になっているのか、説明を求めます。

4点目に、あかつき福祉会に対する指導・監督についてお伺いします。

市はあかつき福祉会が今回の問題点を改善し、是正するために、適正な会計処理を行うよう、指導・監督するとのことですが、「今回の問題点」とは何か、「指導・監督する」ために具体的にどのような方策なのか、市の見解と説明を求めます。

5点目に、ワークセンターささゆりの指定管理者の公募について質問します。

市はあらためて同施設の指定管理者を公募する、とのことですが、現時点でどのようなスケジュールを検討しているのでしょうか?年末・年始を控え、公募期間や提案期間を考えると、2月議会に本当に間に合うのでしょうか?仮に応募者がいないということも考えられます。

あらゆる事態を想定し、当面は直営も視野に入れて検討されているのでしょうか?

以上、5点の質問を行いましたが、今後のあり方を模索するためには、何が問題であったのか、その背景はどうであったのか、についてしっかり調査し、把握することが大切です。そのうえで根本的な要因が改善され、展望がひらけると考えます。要は臭いものに蓋をするだけでは解決は得られません。

諸課題を全体で共有し、同じ過ちを繰り返さないことが大切です。これまで、多くの関係者が紡いでこられた努力や成果を無駄にすることなく、さらに発展的なものにしていくために、理事者がこの問題に真摯に向き合ってくださるようお願いいたします。

◎市のコンプライアンスと人権意識について

2項目目の「市のコンプライアンスと人権意識について」質問します。

本年2月議会、6月議会においても、市のコンプライアンスのあり方、情報公開のあり方、公益通報制度の運用について一般質問しましたが、その時に指摘した問題・諸課題が、その後も改善されずに新たな問題を起こしているため、「個人情報の取り扱い」について、あらためて質問します。

本年1月7日付の、建築住宅課に向けた市民相談の内容が、市民相談窓口から議会事務局に情報提供されました。その市民相談の内容は議会事務局にはまったく関係がないものだったので、「議会事務局からの回答は不要」である旨の但し書きがありました。さらに、この議会事務局へ提供された情報には相談者の氏名もそのまま明記されていました。

6月の一般質問における市の答弁では、氏名を付記して他部署へ情報提供したことについて「行政内部の組織間での情報提供であり、例えその情報の中に個人情報が含まれていたとしても、職員には守秘義務が課せられているため、問題はありません。」とのことでした。

しかし、市民相談窓口の所管課が相談内容とまったく関係のない部門である議会事務局に氏名を明記して情報提供したのは、何故なのでしょうか?市民相談の内容をその内容とはまったく関係のない部署に情報提供する、ということは運用面で何ら問題はないと考えるのでしょうか?また、これまでもそのような行為をおこなってきた可能性があるということなのでしょうか?

6月議会のご答弁では「個別の市民相談の経過については言及しない」とありましたが、これは市民相談の経過や内容について問うているのではなく、市の個人情報の取り扱いのあり方についての質問であるので、明確なご答弁を求めます。

また、議会に対する情報提供についても、議員は個人情報保護などの配慮があるという前提でおこなわれているので問題はない、という市の見解でした。市民相談の内容は箕面市情報公開条例における「非開示条項」に該当しますが、議員は一般市民と区別されて「非開示条項」であっても、情報提供がなされるという考え方であると理解してよいでしょうか?

本年9月26日に、懲戒免職処分を受けた職員が、内容を不服として公平委員会に申し立てた結果、「処分は重すぎる」として停職6か月に修正する採決が3月31日付けでおこなわれました。これに対し、期限ぎりぎりの9月下旬に、市は再審請求を行うとプレス発表し、議会に事前説明をおこないました。

このとき、市が用意した説明資料の中に、被処分者である職員の氏名が明記されていたため、説明員であった総務部部長と職員課長に「個人情報を公表してよいのか」と質したところ「議員なので信頼して公表した」という回答をいただきました。「この見解は情報公開に関する所管部である総務部の公式見解と受け止めてよいですか」と何度も確認しましたが「そのとおり正式見解である」と総務部長が断言されました。

その時「今の見解に対し、責任をもってもらいたい。決して翻すことにないように」と念押しをし、これについても総務部長の同意をいただきました。これらは、総務課長と、私を含めて3名の無所属議員が同席する場でのことです。

そのような経緯にも関わらず、翌日、総務部から「資料の差し替え」と称して、何のための差し替えなのかの説明もないまま、個人名が明記されている資料の返還を求められました。こちらから、理由を尋ねたところ当初は「事務的なミスがあり差し換えたい」という説明でした。さらに具体を追求したところ、ようやく「個人名の記載は削除した」という回答がありました。

個人情報の取り扱いについて、1日で見解が変わるという運用のあり方や、納得に足る明確な説明がなされていないことについて、市の見解を求めます。運用面に一貫性がないばかりか、部門のトップが前日に明言したことを1日で翻す、という事態をどのように市は受け止めるのでしょうか?

さらに、本人の知らないところで個人の氏名が公表されたのですが、「本来、公表してはならない情報を公表してしまったのなら、まず本人に謝罪すべきではないか」と質しましたが、総務部は「公表したのは議員だけであり、議員は見識があるので(謝罪の)必要はない」という見解でした。

ここでも、議員と一般市民とは明確に区別されているようですが、では「見識のある」議員に提供した情報をわざわざ回収したのは何故でしょうか?市の対応には一貫性がなく、これまでも、このような運用を繰り返してきたのでしょうか?

さらに、個人情報を公表してしまったこと、および、謝罪すらしないということは、個人名を公表したことが「謝罪にあたいしない程度の出来事」という認識の表れであると受け取れます。これでは、市の人権意識も問われることとなり看過できません。

23名の議員は望むと望まないとに関わらず、少なくとも個人名を知ってしまうこととなりました。そのことで、氏名を公表されてしまった個人が不利益を受けることは皆無なのでしょうか?議員の見識があったとしても、「自分の氏名を知られてしまった」「知られたくないと思う情報を公開された」個人の人権は侵害されたと考えます。市の見解を求めます。

あわせて、人権施策の観点から、今回の「謝罪の必要なし」という対応は、まったく問題がないのでしょうか。見解を求めます。

情報公開、情報提供、個人情報保護は、市政運営の根幹にかかわる重要な部分であります。にもかかわらず、執行する側の職員、部門長の見解が一定ではなく、事後の対応にも問題があることについて、市はどのように責任をとるのでしょうか?このような事態を招いた要因は何でしょうか?今後はどのように職員教育を行い、対処するのでしょうか?

市のコンプライアンスのあり方が大変問われています。この間の運用と、問われた課題、そして今後、どのように改善していくのか、真摯に受け止めていただき、ご答弁を求めます。

以上、私の一般質問といたします。

 

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