2013年12月議会 一般質問(答弁)

●答弁

社会福祉法人あかつき福祉会の虐待事件および不正経理、
   工賃未払い問題について

  1. ショートステイ室での虐待について
  2. 会計処理の不整合について
  3. ゴミ袋(製袋事業)について
  4. あかつき福祉会に対する指導・監督について
  5. 市立障害者福祉センターささゆり園の指定管理者の公募について

ただいまの中西議員さんのご質問のうち、「社会福祉法 人あかつき福祉会に関する諸問題」につきまして、ご答弁 いたします。

まず、1点目の「あかつき福祉会のショートステイ室で の虐待事件」についてですが、夜、就寝しない知的障害者 の部屋に鍵をかけたという事案が発生した当日は、利用者 5名に対して、職員 3名が勤務していました。

あかつき福祉会では、これまで当事者本位の支援をめざ し、職員一人ひとりが、支援する側という優位性を認識し て、例えば「成人の利用者に対して、ちゃん付けで呼ばな い」、「車いすの利用者が、車いすからずり落ちそうな場合 の補助ベルトの使用には、本人・ご家族の同意を得る」な
ど、人権に配慮した支援を進めてきました。しかしながら 、今回の事案に現れているように、人権意識に関しては、 まだまだ課題があり、常に意識を高め磨いていく必要があ るため、繰り返し研修を重ねていくことが大切であると認識しています。

また、今回の虐待に対する市のスタンスですが、市がや るべき事は、第一義的に、障害者虐待防止法等に基づき、現地確認を含め、適切な対処を行うとともに、あかつき福 祉会が法人として実施した研修結果の確認、再発防止に向 けた自律的な取り組みを支援することであると考えています。そうした基本スタンスのもと必要に応じ、法人主催の研修会のあり様についてもみていきたいと考えています。

なお、先の民生常任委員会において、「間違いが 1 回」 と答弁いたしましたのは、会計処理の不適合を指したものです。また、このショートステイ室は、あかつき福祉会が障害者総合支援法に基づき障害福祉サービスとして自ら設置・運営している施設であり、市の施設ではありませんし、市立障害者自立支援センターの指定管理者としての自主事業でもありません。

当然のこととして、虐待は、人の命に関わる重大な問題であり、今回の事案は、障害者市民の行動を不当に制限した、重大な問題であると認識しています。

特に、虐待防止は、未然の予防と早期発見が重要であることから、今年の2月には、事業者や当事者なども参加した虐待シンポジウムを開催するなど、啓発を行ってきました。今後も、事案として比較的に多い家族や施設職員によ る虐待を踏まえて、啓発を進めていくとともに、今回のような事案を繰り返さないためにも、障害者虐待防止法の所管部として、今回の事案に学び、問題意識を持ち続けるような研修、啓発のあり方について検討を深めていきます。

また、虐待事案が発生した場合は、被虐待者の安全を最優先に的確に対処し、対象者の保護など、必要な対応、支援を行っていきます。

次に、2点目の「会計処理の不整合」についてですが、あかつき福祉会が就労継続支援 B 型事業に移行した平成22年度以降の会計処理について、改善通知を実施したものです。授産会計時は、大阪府による監査を受けており、今回のような指摘は受けていませんが、平成 21 年度以前の
会計処理について、授産会計の基準に適合しているか、あかつき福祉会が確認を行っているところです。

なお、あかつき福祉会は、社会福祉法人として独立した法人であり、
会計処理を適切に行う責務は、あかつき福祉会が負うべきものです。今回の会計基準への不適合は、国通知を誤解したことによるもので、ご指摘の外郭団体の不正経理処理にはあたりませんが、改善措置の確実な実施と再発防止策の構築を引き続き指導・監督して参ります。

また、市では、今年度内に社会福祉法等に基づく指導監査などを行う予定です。棚卸資産については、ごみ袋や段ボール箱などの計算に誤りがあり、減価償却費、退職給与等引当金、給与及び法定福利費については、「就労支援事業活動」と「福祉事業活動」の切り分けの仕方が、会計基
準の求める按分方法に照らして、不十分だったものです。

次に、3点目の「ごみ袋(製袋事業)」についてですが、市は、あかつき福祉会へごみ袋の製造を委託しているのではなく、先の民生常任委員会で市民部長がご答弁いたしましたとおり、あかつき福祉会から「消耗品」としてごみ袋を購入しているものです。

なお、市が、ごみ袋の購入にあたって予算を組む際、当然のことながら、これまでの実績、単価の適正さなどを踏まえて所要の予算を計上していますが、あかつき福祉会のごみ袋製造に係る積算内訳に直接的に関与する立場にはないため、積算は行っていません。

また、外部から調達しているごみ袋は、材料費に計上していると、あかつき福祉会から聞き及んでいます。

次に、4点目の「あかつき福祉会に対する指導・監督」についてですが、すでにお知らせいたしておりますが、今回の問題点は、法人が会計処理に関する通知文を誤解して解釈したこと、また、法人内部での監査等により会計基準に適合していないことを発見できなかったことです。

なお、指導・監督についてですが、その他の社会福祉法人と同様に法人に関することは、社会福祉法などの関係法令、指定管理業務に関することは協定書などに基づき実施していきます。

次に、5点目の「障害者福祉センターささゆり園の指定管理者の公募」についてですが、現在の指定管理者の指定期間が平成 26 年 3 月末をもって満了となることから、平成 26 年第 1 回定例会に指定管理者指定の議案を提出できるよう最大限の努力をしてまいります。

以上、ご答弁といたします。

なお、ご質問のうち、他部局の所管に係ります事項につきましては、担当部長からご答弁いたします。

◎市のコンプライアンスと人権意識について

  1. 1/7付け市民相談の議会への情報提供
  2. 懲戒処分修正採決に対する再審請求の個人情報

ただいまの中西議員さんのご質問のうち、「市のコンプライアンスと人権意識」について、ご答弁いたします。

まず、1月7日付けの市民相談についてですが、本年第2回定例会の一般質問に対して、「市民相談窓口に寄せられた市民相談については、市民の声取扱要綱に基づき、当該相談内容に係る関係課へ情報提供がなされますが、これは行政内部の組織間での情報提供であり、たとえその情報の中に個人情報が含まれていたとしても、職員には守秘義務が課せられているため問題はありません。」とご答弁させていただきました。

これらは、行政として寄せられた市民相談に対し、スピーディーに、かつ、できるだけ丁寧に対応するための行政内部のルールとして運用しているものであり、今後とも、この基本的な考え方に基づき、運用してまいります。

なお、この1月7日付けのメールは、「市議会での市の答弁について」というタイトルであったため、議会事務局にも情報提供したものを、議会事務局から各議員に情報提供されたものですが、今後はより慎重に内容を見極め、個人情報などが含まれている文書等については情報提供を見合わせる等の対応をしてまいります。

次に、懲戒免職処分の修正裁決に対する再審請求に関する市議会への説明資料についてですが、9月26日に議員の皆様にご説明した際、参考資料として添付した公平委員会からの裁決書の写しについて、被処分者の氏名を伏せずに配布してしまいました。これは、参考資料としての議会への情報提供であり、当初は問題ないと認識していましたが、改めて検討した結果、当該対応に錯誤があることから、速やかに是正すべく、9月26日、また当日不在の議員さんには翌日にご説明のうえ、資料の差し替えを依頼したものです。当初の判断に遺漏があったことにつきましては、深くお詫び申し上げます。

なお、公務員の処分発令については、地方公務員法等に基づき、所定の手続きを経たうえ行っていますが、当該情報の取り扱いについては、事案ごとに一定の配慮を行っています。そういった観点から、今回の対応については、配慮を欠くものではありましたが、人権侵害にまで及ぶもの
ではないと思っています。

また、今回の資料は、議員の皆様のみに限って配布したものであり、速やかな差し替えをお願いしたことから、被処分者個人に対し、改めて謝罪することは考えていませんが、情報政策を所管する担当部長として、今回のことを深く反省し、職務にあたってまいります。あわせて、行政情報の取り扱いについては、個人情報の保護に努めながら情報公開制度に基づき、適切な運用に努めてまいります。

以上、ご答弁といたします。

◎ (再質問)社会福祉法人あかつき福祉会の虐待事件
    および不正経理、工賃未払い問題について

  1. 国通知の誤解と改善報告について
  2. 製袋事業について

ただいまの中西議員さんの再質問のうち、あかつき福祉会に関し、ご答弁いたします。

虐待対応に関してですが、先ほどのご質問でショートステイ施設や事業の位置づけを誤解されての質問であったため、改めて位置づけ等についてご答弁いたしたものです。なお、虐待そのものへの市の姿勢については、これも先ほどご答弁いたしましたとおり、虐待防止法の所管部として、その役割を果たしていきます。

まず、改善報告において、不合理な処理が行われているとのご指摘ですが、改善報告は、先ほどもご答弁しましたとおり、市が改善通知を行った4項目に対して、あかつき福祉会において、法令や国基準、通知に適合するよう改善し、決算も見直す内容としたと聞いており、現在、市において、その内容を確認中です。なお、「就労支援事業の会計処理の基準」を誤解しようがないとのご指摘ですが、今回の誤解は、この基準ではなく、会計移行時の積立金等の取り扱いに関して、国が別途通知した通知文の解釈を誤解したことによるものです。

次に、「ごみ袋を購入する価格が適正か」という点ですが、先ほども、ご答弁いたしましたとおり、市が、ごみ袋の購入にあたって予算を組む際、当然のことながら、これまでの実績、単価の適正さなどを踏まえて所要の予算を計上していますが、あかつき福祉会のごみ袋製造に係る積算内訳に直接的に関与する立場にはないため、積算は行っていません。

市では毎年度、各部局において多くの物品、消耗品を外部から購入しています。その購入にあたっては事前に当該物品等の市場価格の把握や必要に応じて見積りなどを求めています。そのうえで適正額を算定し、予算計上のうえ購入しているもので、一つひとつの物品にかかる企業等の生産量や詳細な製造コストなどを把握しているものではありません。

なお、市として年度毎のごみ袋の購入価格の設定にあたっては、変動の大きなウエートを占める原材料費であるナフサの市況などの情報を収集し、価格の適正さを判断しているところです。

製袋事業を障害者事業所で分担する方策を検討するためには、生産量と外注量などの把握が必要ではないかとのご指摘については、先の北川議員さんのご質問にご答弁しましたとおり、分担形態等について検討を行っているところです。また、ご指摘の明細表は、「製造原価明細書」のことと推察いたしますが、この明細書は、あかつき福祉会において作成されており、財務諸表では、材料費の勘定科目に合算して計上し、法人内部では、適切に仕分けされていると聞き及んでいます。

以上、ご答弁といたします。

なお、ご質問のうち、他部局の所管に係ります事項につきましては、担当部長からご答弁いたします。

◎市のコンプライアンスと人権意識について

  1. 1月7日の対応について
  2. 個人情報の取り扱いについて
  3. 市議会への情報提供について

ただいまの中西議員さんの再度のご質問のうち、「市のコンプライアンスと人権意識」について、ご答弁いたします。

まず、1点目の、1月7日の対応は間違っていなかったのかとのお尋ねですが、先ほどご答弁しましたとおり、「市議会での市の答弁について」というタイトルのメールであったことから、議会事務局にも情報提供がなされたものであり、そのこと自体は問題ないと考えています。

2点目の、個人情報の取り扱いにかかる総務部の判断についてですが、当初の判断は錯誤に基づくものであり、先ほどの答弁においてお詫び申し上げたところですが、今後、このようなことがないよう個人情報保護への配慮を徹底してまいります。

3点目の、市議会への情報提供に関しての当事者への謝罪についてですが、先ほどご答弁しましたとおり、当初の対応は配慮を欠くものであったと認識しています。また、今回は、一般市民に対する情報提供ではなく、議員の皆様のみに限って配布したものであり、速やかに差し替えをお願いしたことから、先ほど申し上げたように判断しています。

以上、ご答弁といたします。

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